猫のいまの腎機能を知ろう

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猫の腎機能を評価するのは基本的には病院で行う診察や検査になります。なので、家でできることはあまりありませんが、日常的な全身の健康状態のチェック(元気かな? 機嫌は良いかな? 吐いたり下痢したりしてないかな?)は家でしかできないことでもありますので、常に気をつけていきましょう。

腎臓病に関して言えば一般的には病期の進行とともに尿量の増加、飲水量の増加が見られることが多いです。なので、水の減り具合、トイレ掃除の際の尿量の変化が思わぬ早期診断につながることがあるかもしれません。尿の濃さ、薄さももちろんですが、匂いの変化も腎臓病の進行と関連する可能性も指摘されていますので、日常生活の中にも意外なヒントが隠れているかもしれません。

それでも、やはりメインは血液や尿を調べるような、病院で行う臨床検査になります。病院ではどんな診察や検査が受けられるのでしょうか。代表的な検査をご紹介します。

身体検査

体重測定、脱水の有無、口腔内の状態の確認

血液検査

老廃物がきちんと排泄されて体に留まっていないかを調べます

尿検査

尿の濃縮の程度、尿中にタンパク質が漏れていないか、尿中の結晶や細菌も評価します

X線検査

広範囲の画像評価が可能です。腎泌尿器診療では特に尿路結石の診断で効果を発揮します。特に超音波検査のビームが届かない骨盤内の画像評価では必須の検査になります。

超音波(エコー)検査

臓器の断面図を見ることができます。左右の腎臓のサイズ、腎臓から膀胱までの道のり(尿管)の状態、膀胱の構造をより詳しく評価することができます。

血圧測定

一般的に猫は高齢期に高血圧になる傾向があります。また腎臓病患者さんは高血圧を併発する可能性が高まります。腎臓病患者さんが高血圧になると、腎臓病の進行を早めますし、視力を失う(失明)などの二次的なトラブルを引き起こすことあります。

これらの検査を組み合わせることで、腎機能を多角的に評価します。どれか一つの検査だけでは不十分で、検査ごとに得意分野と苦手分野があります。それぞれの検査の長所を活かして、総合的に判断する必要があります。

佐藤祐

猫好き獣医師。 所属:獣医腎泌尿器学会、iCatCare Veterinary Society

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